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会社 立ち上げ 手順

株式会社を立ち上げる手順7工程。合同会社と分かれるのは定款認証からです

最終更新 2026年8月15日 読了目安 約12分 文字数 約7,272字
株式会社を立ち上げる手順7工程。合同会社と分かれるのは定款認証からです
株式会社と合同会社、手順の前半はまったく同じです。分かれるのは4工程目の定款認証から。ここで12万円と4〜6日の差がつきます。この記事では株式会社を選んだ場合に固有の論点——絶対的記載事項、機関設計、譲渡制限、役員任期、登録免許税の計算——に重点を置いて、7つの工程を順に見ていきます。

株式会社と合同会社、どちらの手順も前半は同じです。分かれるのは4工程目の「定款認証」から。株式会社にだけ課される工程と費用がここで発生し、金額にして12万円、日数にして4〜6日の差になります。

この記事では、株式会社を選んだ場合に何をどの順で踏むのかを、株式会社固有の論点(絶対的記載事項、機関設計、役員任期、登録免許税の計算)に重点を置いて説明します。

株式会社を選ぶと増えるもの・減るもの
増える費用
+約120,000円
登録免許税の差90,000円+定款認証手数料
増える日数
+4〜6日
公証役場の事前チェックと当日の往復
得られるもの
対外的な信用
出資の受け入れ、取引審査、採用での通りやすさ

株式会社の設立は7工程。全体像から

株式会社の設立は7工程。全体像から
株式会社の設立で踏む7工程
この7つのうち、3番目だけが株式会社に固有の工程です

なお、ここで扱うのは発起設立(発起人が設立時発行株式を全部引き受ける方式)です。一人で作る場合はほぼこの方式になります。もうひとつ募集設立という方式がありますが、外部から出資を募る形なので手続きが重く、設立時に使う人はまずいません。

工程を順に見ていく

工程を順に見ていく
工程1|目安 1〜7日

基本事項を決める

商号、事業目的、本店所在地、資本金、発行可能株式総数、設立時発行株式数、機関設計、事業年度、設立日。ここが決まらないと定款の1行目から書けません。

株式会社に固有の論点は機関設計です。一人で作るなら「取締役1名・取締役会なし・監査役なし」がもっとも軽い構成で、定款認証手数料の特例条件にも合致します。取締役会を置くと取締役3名+監査役1名が必要になり、一人会社では成立しません。

発行可能株式総数
将来発行できる株式の上限。非公開会社なら制限はないので、設立時発行株式数の10倍程度にしておくのが通例です。
設立時発行株式数
実際に発行する株数。資本金100万円で100株なら1株1万円。この単価は後の増資でも基準になります。
公告方法
官報/電子公告/日刊新聞のいずれか。官報が無難ですが、決算公告を出す場合は毎回7万円前後かかります。
工程2|目安 1〜3日

定款を作成する

定款には、これを書かないと定款そのものが無効になる項目が5つあります。会社法27条の絶対的記載事項です。

定款の絶対的記載事項5つ

このほかに、書いておかないと効力が生じない「相対的記載事項」(現物出資、株式の譲渡制限、役員任期の伸長など)があります。一人会社で必ず入れておきたいのは株式の譲渡制限です。これを入れることで非公開会社となり、役員任期を最長10年まで伸ばせます。

株式会社だけの話:譲渡制限の定めを入れ忘れると公開会社扱いになり、取締役会と監査役の設置が必要になります。一人では設立できなくなるので、ひな形を使う場合もこの条項の有無だけは必ず確認してください。
工程3|目安 2〜4日|株式会社だけ

公証役場で定款認証を受ける

作った定款を、本店所在地を管轄する法務局に所属する公証人に認証してもらいます。いきなり窓口に行くのではなく、先にメールやFAXで原稿を送って事前チェックを受けるのが一般的な流れです。修正のやりとりで1〜3日かかります。

定款認証手数料の早見表

2024年12月の改定で、次の4条件をすべて満たす会社は手数料が15,000円になりました。一人で、資本金を小さく、取締役会を置かずに作るなら、そのまま当てはまります。

  1. 資本金の額が100万円未満
  2. 発起人が全員自然人で、3人以下
  3. 発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載がある
  4. 取締役会を置く旨の記載がない
資本金を100万円ちょうどにすると、この特例から外れて手数料が40,000円になります。99万円と100万円で25,000円の差が出るので、金額に強いこだわりがないなら100万円未満に収めるのが得です。
工程4|目安 即日

資本金を払い込む

会社はまだ登記されていないため法人口座がありません。発起人個人の口座に、自分で資本金を振り込みます。順序の制約が厳しく、ここを間違えるとやり直しになります。

○ 正しい順序
定款の作成日(認証日)以降の日付で入金 → 通帳をコピー → 払込証明書を作成
× よくある間違い
もともと残高があるので、そのまま「資本金あり」として提出 → 入金の記録がなく通らない

通帳のコピーは、表紙・見開き1ページ目(支店名や口座番号が載っている面)・入金が記帳されたページの3か所です。ネット銀行の場合は、口座名義・番号・入金明細が分かる画面を印刷します。

工程5|目安 1〜2日

登記申請書類をそろえる

一人発起設立で必要になる書類は、登記申請書、登録免許税納付用台紙、認証済み定款、払込証明書、設立時取締役の就任承諾書、取締役の印鑑証明書、印鑑届書。現物出資がある場合は調査報告書と財産引継書が追加されます。

登録免許税は資本金の額 × 0.7%で、これが15万円に満たない場合は15万円です。つまり資本金が約2,143万円を超えるまでは一律15万円と考えて構いません。

工程6|目安 即日

法務局へ申請する

本店所在地を管轄する法務局へ提出します。申請した日が設立日として登記簿に載ります。窓口持参、郵送、オンライン申請のいずれでも可能ですが、郵送は到着日が申請日になるため、設立日を狙うなら窓口かオンラインが確実です。

工程7|目安 3〜10日

登記完了、そして届出へ

完了したら印鑑カードを受け取り、登記事項証明書と会社の印鑑証明書を取得します。ここから税務署・都道府県税事務所・市町村・年金事務所への届出が始まり、並行して法人口座の開設を申し込みます。

費用の全体像

費用の全体像
株式会社の設立費用の構成比

紙の定款・資本金300万円という条件だと合計24万円ほど。ここから電子定款にすれば40,000円資本金を100万円未満にして特例を使えば35,000円が消えます。両方効かせると165,000円台まで下がります。

条件合計費用差額
紙定款/資本金300万円約244,000円基準
電子定款/資本金300万円約204,000円−40,000円
電子定款/資本金99万円(特例)約167,000円−77,000円

設立後に効いてくる、株式会社だけの宿題

設立後に効いてくる、株式会社だけの宿題
役員任期の管理を忘れると過料の対象になるという注意

役員の任期と改選登記

取締役の任期は原則2年ですが、非公開会社なら定款で最長10年まで伸ばせます。一人会社なら10年にしておくのが定石です。ただし任期が来たら、たとえ同じ人が続けるとしても改選(重任)の登記が必要で、登録免許税が1万円かかります。ここを忘れると過料の対象になります。

決算公告

株式会社には決算公告の義務があります。官報に載せると毎年7万円前後。実際には出していない会社が多数ですが、法令上は義務です。定款で公告方法を「電子公告」にして自社サイトに掲載すれば、費用はかかりません。設立時に決めておくと後が楽です。

そもそも株式会社にすべきか、を工程の前に一度

そもそも株式会社にすべきか、を工程の前に一度

手順を読み進めるうちに「この12万円と6日は、何に対して払っているのか」と思ったなら、いったん立ち止まる価値があります。株式会社を選ぶ理由がはっきりしている人と、なんとなく選んでいる人では、後の満足度がかなり違います。

株式会社にする理由がある人
  • 将来、外部から出資を受ける可能性がある
  • 取引先の新規審査で会社形態を見られる業界にいる
  • 人を採用する予定があり、応募母数を落としたくない
  • 役員を増やして権限を分けていく構想がある
  • 事業承継や株式の譲渡を視野に入れている
合同会社で足りる可能性が高い人
  • 当面は一人で、受託や請負が中心
  • 取引先が「法人であること」しか見ていない
  • 出資を受ける予定が具体的にない
  • 設立費用と維持コストを最小にしたい
  • 役員任期の管理をそもそも抱えたくない

迷ったときの目安をひとつ。3年以内に自分以外の株主が入る可能性があるかどうか。ここが「ない」なら、合同会社で始めて必要になったときに組織変更する道も現実的です。逆に「ある」なら、最初から株式会社にしたほうが、あとの手間と費用を確実に下回ります。

資本金をいくらにするか、3つの節目で決める

資本金をいくらにするか、3つの節目で決める

資本金は1円でも設立できますが、実務では3つの節目を意識して決めます。それぞれ性質の違う効果があり、金額の大小ではなく「どの線を越えるか」で結果が変わります。

100万円未満
定款認証手数料が15,000円になる特例のライン。他の3条件も満たす必要があります。99万円と100万円で25,000円変わります。
1,000万円未満
設立から2期は消費税の免税事業者になれるライン。ここを越えると初年度から課税事業者です。影響額は売上規模によっては数十万円以上になります。
1,000万円超
法人住民税の均等割が上がるライン。資本金1,000万円以下・従業員50人以下なら年7万円ですが、超えると18万円前後になります(自治体により異なります)。

もうひとつ、金額そのものが見られる場面もあります。法人口座の審査創業融資の審査です。資本金1円の会社が口座開設で止まる例は珍しくなく、融資でも自己資金の裏づけとして資本金が見られます。この観点からは、当面の運転資金3〜6ヶ月分を入れておくのが無難です。

許認可が必要な業種では、資本金の下限が決まっていることがあります。たとえば一般労働者派遣事業は資産要件(基準資産額2,000万円以上等)、建設業の一般建設業許可は500万円以上の自己資本などです。該当する業種なら、この要件が資本金の決定要因になります。

法律上は1円から可能ですが、実務では当面の運転資金3〜6ヶ月分を入れるのが一般的です。ただし節目が2つあります。100万円未満なら定款認証手数料が15,000円、1,000万円未満なら設立から2期は消費税が免税。この2つを外さない範囲で決めるのが合理的です。

組織変更の手続きで可能です。ただし官報公告(約4万円)と債権者保護手続きに1ヶ月以上かかり、登記費用も別途必要です。逆方向(合同→株式)のほうが実例は多く、こちらも同程度の手間がかかります。設立時にどちらかへ寄せておくほうが安く済みます。

できます。電子定款をオンラインで送信し、公証人とはウェブ会議で面前確認を行う運用が整備されています。公証役場まで足を運ばずに済むため、地方在住の方や平日に動きにくい方には有効です。事前の書類やりとりが必要な点は同じです。

まとめ

まとめ
株式会社を選ぶ人が押さえる6点
  1. 工程は7つ。合同会社と分かれるのは3番目の定款認証から
  2. 絶対的記載事項5つのどれかを落とすと、定款自体が無効になる
  3. 株式の譲渡制限を入れて非公開会社にしないと、一人では設立できない
  4. 一人・資本金100万円未満・取締役会なしなら認証手数料は15,000円
  5. 登録免許税は資本金×0.7%、最低15万円
  6. 役員任期は10年に伸ばせるが、改選登記を忘れると過料
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください 検索キーワード:会社 立ち上げ 手順 株式会社 / 20 サイト

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著者:合同会社commit / 合同会社FIELD 共同編集部

本記事は、合同会社commit(コンサルティング/Webマーケティング/Web制作)と 合同会社FIELD(事業グロース支援/人材/ITスクール)の共同編集部が制作しています。両社ともに合同会社として設立・運営しており、一人・少人数での法人設立と設立後の実務を、自らの経験も踏まえて扱っています。

記事は、法務省・法務局・国税庁・日本年金機構・中小企業庁・日本公証人連合会などの一次情報を確認したうえで作成し、合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら編集しています。参照元は各セクションの末尾に明示しています。ただし制度・手数料は改正されるため、手続きの際は必ず所管官庁の最新情報をご確認ください。個別具体的な判断については、税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

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