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会社 立ち上げ 合同会社

合同会社から株式会社へ。かかるのは約10万円と1ヶ月半です

最終更新 2026年8月15日 読了目安 約10分 文字数 約6,192字
合同会社から株式会社へ。かかるのは約10万円と1ヶ月半です
合同会社から株式会社へは変更できます。ただし登記を1本入れれば終わりではありません。組織変更計画の作成、総社員の同意、債権者保護手続き、そして登記。費用は自分でやって約10万円、依頼すると15〜25万円。期間は最短でも1ヶ月半で、この1ヶ月半は法律で決まっているため短縮できません。

合同会社から株式会社へは変更できます。ただし「登記を1本入れれば終わり」ではありません。組織変更計画の作成、総社員の同意、債権者保護手続き、そして登記。この4段階を踏む必要があります。

費用は自分でやって約10万円、司法書士に依頼すると15〜25万円。期間は最短でも1ヶ月半です。この1ヶ月半は法律で決まっているもので、どうやっても短縮できません。

なぜ1ヶ月半かかるのか

なぜ1ヶ月半かかるのか

理由は債権者保護手続きです。会社の形態が変わると、取引先や金融機関にとっては「相手が変わる」ことになります。そこで、異議がある債権者には申し出る機会を与える必要があります。

この異議申述期間が、1ヶ月以上と法律で定められています。官報に公告を出し、その掲載日から1ヶ月が経過するまで、組織変更の効力は発生しません。加えて官報への掲載申込みから実際の掲載までにも1週間程度かかるため、実務上は1ヶ月半を見込むことになります。

効力発生日から逆算した組織変更の日程

5つの工程を、順に見る

5つの工程を、順に見る
工程 01
D-50
日目

組織変更計画を作成する

変更後の株式会社について、商号、目的、本店、発行可能株式総数、機関設計、役員、資本金、効力発生日などを定めます。実質的には、株式会社の定款を新しく作る作業です。

ここで決めた効力発生日が、すべての逆算の起点になります。1ヶ月以上の公告期間を確保できる日付にしてください。

工程 02
D-45
日目

総社員の同意を得る

組織変更には、効力発生日の前日までに社員全員の同意が必要です。合同会社の重要事項の原則どおり、1人でも反対すれば成立しません。

一人の会社なら自分が同意すれば済みますが、書面として「総社員の同意書」を作成し、日付を入れて保管します。登記申請の添付書類になります。

工程 03
D-42
日目〜

官報に公告し、債権者に個別催告する

官報販売所に公告の掲載を申し込みます。申込みから掲載までに1週間程度かかるため、余裕を持って手配してください。掲載費用は3〜5万円が目安です。

同時に、把握している債権者には個別に催告書を送ります。金融機関から融資を受けているなら、その金融機関が債権者にあたります。取引先の買掛金も対象です。公告だけで済ませることはできません。

掲載日から1ヶ月以上の異議申述期間を設ける必要があります。この期間は短縮できません。

工程 04
D日
効力発生

効力発生日が到来する

異議申述期間が満了し、計画で定めた効力発生日が来ると、その日から株式会社になります。登記をした日ではなく、効力発生日が変更の日です。

異議を述べた債権者がいた場合、弁済するか担保を提供するなどの対応が必要になります。実務上、異議が出るケースは多くありませんが、金融機関には事前に相談しておくのが無難です。

工程 05
D+2週
以内

登記を申請する

合同会社の解散登記と、株式会社の設立登記を同時に申請します。会社が消えて新しく生まれるわけではなく、法人格は連続していますが、登記簿上はこの形になります。

登録免許税は、解散分が3万円、設立分が3万円で最低6万円。資本金の額によっては設立分が増える場合があります。

組織変更の5工程の流れ

費用の内訳

費用の内訳
合同会社 → 株式会社 組織変更の費用
登録免許税(解散30,000円+設立30,000円)60,000円
官報公告の掲載費用30,000〜50,000円
個別催告の郵送費数千円
登記事項証明書・印鑑証明書約2,000円
自分でやる場合の合計約95,000円〜
司法書士に依頼した場合の報酬50,000〜150,000円
依頼した場合の合計150,000〜250,000円
組織変更にかかる費用の内訳
最初から株式会社を作っていれば、設立費用は約17万円でした。合同会社で始めて後から変更すると、設立8万円+組織変更10万円で合計18万円総額はほぼ変わりません。変わるのは、支払いのタイミングと、その間に手元資金を事業に使えたかどうかです。
官報公告の1ヶ月は短縮できない

組織変更で必要になる書類

組織変更で必要になる書類

登記申請の添付書類は、通常の設立登記より種類が多くなります。債権者保護手続きを行った証拠が必要になるためです。

組織変更計画書。変更後の株式会社の内容を定めた書面です。実質的に新しい定款の内容を含むため、もっとも作成に手間がかかります。

総社員の同意書。効力発生日の前日までに全社員が同意したことを示す書面です。日付が効力発生日以降になっていると受理されないため、順序に注意してください。

官報公告を掲載した官報のページ。公告を出したことの証明として、掲載号の該当ページを添付します。官報販売所から掲載紙が届くので、それを使います。

個別催告をしたことを証する書面。催告書の写しと、送付先の一覧を作成します。債権者がいない場合でも、いないことを前提とした書面が必要になることがあるため、管轄の法務局に確認してください。

異議を述べた債権者への対応を示す書面。異議が出なかった場合は「異議を述べた債権者はいない」旨の上申書を作成します。異議が出た場合は、弁済したこと、担保を提供したことなどを示す書面が必要です。

このほか、役員の就任承諾書取締役の印鑑証明書資本金の額の計上に関する証明書新しい会社実印の印鑑届書が必要です。株式会社を新しく作るのとほぼ同じ書類に、債権者保護の書類が上乗せされると考えると分かりやすくなります。

どんなときに変更するのか

どんなときに変更するのか

実際に組織変更を検討するのは、次のような場面です。

外部から出資を受けることになった。もっとも多い理由です。VCやエンジェル投資家からの出資は株式会社を前提にしているため、投資契約の前提として変更が必要になります。ただし、出資の話が具体化してから動くと1ヶ月半が足りないことがあります。可能性が見えた段階で先に動くのが安全です。

取引先から求められた。大企業との新規取引で、社内規程により株式会社であることを条件とされるケースです。この場合も、取引開始の期限から逆算する必要があります。

採用を本格化させる。応募母数や求職者の心理的な安心感を考慮する判断です。緊急性は低いので、余裕を持って進められます。

事業承継や株式の譲渡を考えるようになった。合同会社の持分は譲渡に社員全員の同意が必要で、承継の設計がしにくい面があります。株式にしておくと、贈与や譲渡の選択肢が広がります。

逆に、変更しなくてよいケース
「なんとなく株式会社のほうが良さそう」という理由なら、急ぐ必要はありません。10万円と1ヶ月半、そして手続きの手間を投じる価値があるかを、具体的な場面に落として考えてください。

融資については形態による差がありません。補助金・助成金でも形態は要件になりません。取引先が法人格の有無しか見ていないなら、変更の実利はほとんどありません。

変更後に必要になる手続き

変更後に必要になる手続き

登記が終わっても、まだ作業が残ります。会社の商号が変わるため、対外的な届出と変更がひととおり発生します。

税務署・都道府県税事務所・市町村には、異動届出書を提出します。年金事務所にも事業所名称変更の届出が必要です。いずれも登記事項証明書を添付します。

金融機関では、法人口座の名義変更手続きを行います。新しい登記事項証明書と印鑑証明書、それに変更後の会社実印が必要です。口座番号は原則として引き継がれますが、金融機関によって扱いが異なるので事前に確認してください。

そのほか、許認可の変更届取引先への通知契約書の名義変更請求書や名刺、ウェブサイトの表記変更。これらは法的な期限があるものとないものが混在しますが、放置すると実務が混乱します。登記完了後の2週間で一気に片づけるつもりで段取りしておくのが実際的です。

できます。手続きの構造は同じで、組織変更計画の作成、総株主の同意、債権者保護手続き、登記という流れです。費用と期間もほぼ同程度かかります。維持コストを下げる目的で行う例がありますが、削減できる金額(決算公告と改選登記のぶん)と手続きコストを比べて判断してください。

法人格は連続しているため、法人番号も変わりません。ただし登記簿上は合同会社の解散と株式会社の設立という形になるため、新しい登記簿では組織変更による設立として記録されます。会社の実績や取引履歴が消えるわけではありません。

金融機関は債権者にあたるため、個別催告の対象です。ただし実務上は、催告書を送る前に担当者へ相談しておくのが通例です。契約上、組織変更について事前の通知や承諾を求める条項が入っている場合もあります。融資契約の条項を確認してから動いてください。

まとめ

まとめ
組織変更、6つの要点
  1. 費用は自分でやって約10万円、依頼すると15〜25万円
  2. 期間は最短でも1ヶ月半。官報公告の1ヶ月は短縮できない
  3. 工程は5つ。計画作成・総社員の同意・債権者保護・効力発生・登記
  4. 登録免許税は解散3万円+設立3万円で最低6万円
  5. 最初から株式会社にした場合と、総額はほぼ変わらない
  6. 出資や取引の話が具体化してからでは間に合わないことがある
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください 検索キーワード:会社 立ち上げ 合同会社 株式会社 変更 / 20 サイト

「会社 立ち上げ 合同会社 株式会社 変更」で検索すると、司法書士事務所のページが多く並びます。手続きが登記実務そのものだからです。費用の内訳や期間の目安は事務所によって書き方が違うので、複数を見比べると相場感が掴めます。あわせて、そもそも変更すべきかを扱った記事も挙げました。

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  2. GVA 法人登記|合同会社から組織変更する際の官報公告の掲載費用・期間を解説官報公告に特化した解説。費用と期間の具体的な数字が分かります。
  3. ひとりでできるもん|合同会社から株式会社への組織変更手続き|費用・期間・必要書類自分でやる前提での費用と必要書類がまとまっています。
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著者:合同会社commit / 合同会社FIELD 共同編集部

本記事は、合同会社commit(コンサルティング/Webマーケティング/Web制作)と 合同会社FIELD(事業グロース支援/人材/ITスクール)の共同編集部が制作しています。両社ともに合同会社として設立・運営しており、一人・少人数での法人設立と設立後の実務を、自らの経験も踏まえて扱っています。

記事は、法務省・法務局・国税庁・日本年金機構・中小企業庁・日本公証人連合会などの一次情報を確認したうえで作成し、合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら編集しています。参照元は各セクションの末尾に明示しています。ただし制度・手数料は改正されるため、手続きの際は必ず所管官庁の最新情報をご確認ください。個別具体的な判断については、税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

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