会社設立・法人化の実務情報メディア 運営方針 お問い合わせ
よく読まれている検索キーワード 会社 立ち上げ 手順会社 立ち上げ 初期費用会社 立ち上げ 必要書類会社 立ち上げ 一人会社 立ち上げ 定款会社 立ち上げ 法人口座会社 立ち上げ 資本金会社 立ち上げ 社会保険
TOP>会社 立ち上げ 合同会社>合同会社の費用を10年分で計算する。設立費用は総額の0.7%にすぎません
会社 立ち上げ 合同会社

合同会社の費用を10年分で計算する。設立費用は総額の0.7%にすぎません

最終更新 2026年8月15日 読了目安 約11分 文字数 約6,607字
合同会社の費用を10年分で計算する。設立費用は総額の0.7%にすぎません
合同会社の費用を調べると「設立費用は6万円から」で話が終わります。しかし会社は作って終わりではありません。10年続けるなら10年分で見るべきです。総額は1,100万円前後、そのうち設立費用が占める割合は0.7%。会社形態を費用で選ぼうとしている人は、この比率を知っておく価値があります。

合同会社の費用を調べると、たいてい「設立費用は6万円から」という話で終わります。しかし会社は作って終わりではありません。10年続けるつもりなら、10年分の費用で見るべきです。

結論から書くと、10年で出ていく総額は1,200万円前後。そのうち設立費用が占める割合は1%にも届きません。会社形態を費用で選ぼうとしている人は、この比率を知っておく価値があります。

まず、設立費用を確定させる

まず、設立費用を確定させる

電子定款で、出資額99万円、自分で手続きする場合。実際に出ていくのは次のとおりです。

初年度
設立時
登録免許税60,000円、印鑑3本6,000円、電子定款の代行8,000円、登記事項証明書と印鑑証明書2,700円、郵送費・交通費2,000円
78,700円
特定創業支援等事業の証明書を取得できれば、登録免許税が30,000円になります。その場合の設立費用は48,700円。ただし証明書の取得には1ヶ月以上かかるため、設立を急ぐ場合は使えません。

次に、毎年かかる費用を積む

次に、毎年かかる費用を積む

ここからが本題です。役員1名、役員報酬を月20万円に設定した場合の、年間の固定費を並べます。

合同会社に毎年かかる費用の一覧

もっとも重いのは社会保険料です。役員報酬20万円に対して、会社負担分と個人負担分を合わせると月58,000円前後、年間で約70万円になります。これは個人事業主のときにはなかった支出です。

次が税理士への報酬。顧問契約が月2〜3万円、決算申告料が10〜20万円で、年間30〜50万円。依頼しないという選択もありますが、法人税の申告書は個人の確定申告とは難易度が違うため、初年度から自力で完結させるのは現実的ではありません。

そして法人住民税の均等割。赤字でも払う税金で、資本金1,000万円以下・従業員50人以下なら年7万円程度です。売上がゼロでも、この7万円は出ていきます。

あとは会計ソフトが年2〜6万円。これらを足すと、年間で約110万円。売上に関係なく、毎年これだけ出ていく計算になります。

10年で積み上げると

10年で積み上げると
1年目
設立費用 78,700円 + 年間固定費 約1,100,000円
1,178,700円
2年目
年間固定費
1,100,000円
3〜9年目
年間固定費 × 7年
7,700,000円
10年目
年間固定費
1,100,000円
10年間の総額(役員1名・報酬20万円・税理士に依頼した場合)
約11,078,700円
合同会社を10年維持した場合の費用内訳
設立費用は、10年総額の0.7%。
ここを数万円削る話は、判断の本体ではありません。

では、株式会社との差はいくらか

では、株式会社との差はいくらか

10年スパンで見たとき、株式会社と合同会社で本当に差がつくのは3項目だけです。それ以外——社会保険料、税金、決算申告、会計ソフト——はまったく同じです。

株式会社
合同会社
設立費用
約175,000円(電子定款+認証特例)
設立費用
約79,000円
決算公告
官報なら年70,000円前後 × 10年
決算公告
義務なし。0円
役員の改選登記
10年ごとに10,000円
役員の改選登記
任期がないため不要
10年の合計
約885,000円
10年の合計
約79,000円
10年での株式会社と合同会社の費用差

差額は約80万円。年あたりに直すと8万円です。10年総額1,100万円のなかで見れば7%程度になります。

ただし、この計算には前提があります。決算公告を実際に出す場合の話です。実務では、決算公告を出していない株式会社が相当数あります。法令上は義務ですが、出していないことによる不利益が現実にはほとんど生じないためです。

また、株式会社でも公告方法を電子公告にして自社サイトに掲載すれば、費用はかかりません。設立時に定款で電子公告と定めておけば、この差額は消えます。そうすると10年の差は、設立費用の約10万円と改選登記の1万円だけ——合計11万円ということになります。

安く作れると安く維持できるは別の話

売上規模によって、費用の意味が変わる

売上規模によって、費用の意味が変わる

年間110万円という固定費は、絶対額としては同じでも、事業の規模によってまったく違う意味を持ちます。売上別に見ておきます。

年商300万円の場合。固定費110万円は売上の37%です。ここに事業経費が加わるため、手元にはほとんど残りません。この規模なら、個人事業主のままのほうが確実に有利です。法人化するメリットが固定費を上回るのは、かなり難しい水準です。

年商800万円の場合。固定費の比率は14%。所得税の累進税率と法人税率の関係で、法人のほうが有利になり始めるあたりです。ただし社会保険料の増加を織り込むと、まだ拮抗しています。ここが判断の分かれ目で、消費税の免税や取引先の要請といった、税額以外の理由があるかどうかで決まります。

年商1,500万円の場合。比率は7%。この規模になると、固定費よりも節税効果のほうが明確に上回ります。役員報酬と会社利益への分散、退職金の準備、社宅の活用など、法人でなければ使えない手段の効果が大きくなります。

年商3,000万円以上。固定費の比率は4%以下。この段階で個人事業主のままでいる合理性は、ほとんどありません。費用の議論よりも、どう節税設計するかの議論に移ります。

ここで挙げた数字は、業種による経費率の違いを考慮していない粗い目安です。実際の分岐点は、売上ではなく課税所得で判断します。仕入や外注費が大きい業態では、売上が大きくても課税所得は小さくなるため、法人化の判断はもっと後ろにずれます。

費用を本当に下げたいなら、見るべきは別のところ

費用を本当に下げたいなら、見るべきは別のところ

10年で1,100万円の内訳を見ると、社会保険料と税理士報酬で全体の9割を占めています。ここを動かせるかどうかが、費用の話としては本体です。

役員報酬の設定

社会保険料は役員報酬に比例します。報酬を月20万円から月10万円に下げれば、保険料も概ね半分になります。ただし、その分だけ自分の生活費が減り、会社に残った利益には法人税がかかります。単純に得になるわけではなく、法人税と所得税・社会保険料のバランスで最適点が決まります。

この計算は個々の状況によって答えが変わるため、一般論では決められません。売上規模がある程度見えてきた段階で、税理士にシミュレーションしてもらう価値のある論点です。

税理士に頼む範囲

顧問契約なしで、決算申告だけをスポットで依頼するという形もあります。年間の費用は15〜25万円程度に収まることが多く、顧問ありと比べて10〜20万円下がります。

その代わり、日々の記帳と月次の管理は自分でやることになります。会計ソフトを使えば技術的には可能ですが、期中に相談できる相手がいないという状態になります。判断に迷う取引が多い業態では、結果的に高くつくこともあります。

そもそも法人にするかどうか

もっとも大きい選択肢がこれです。個人事業主のままなら、社会保険は国民健康保険と国民年金、均等割はなし、申告も自分でできる。年間の固定費は数万円で済みます。

合同会社にすることで増える固定費は、年間100万円前後。この金額を上回るメリット——所得の分散による節税、消費税の免税期間、法人でなければ取れない取引——があるかどうかが、費用の観点での判断軸になります。

報酬がゼロなら社会保険の被保険者にならないため、年70万円の負担は消えます。ただし国民健康保険と国民年金に自分で加入することになり、負担がゼロになるわけではありません。また報酬を出さないと会社に利益が残り、法人税がかかります。設立初年度など、売上の見込みが立たない期間に限った選択と考えるのが現実的です。

事業を停止して休眠届を出すと、自治体によっては法人住民税の均等割が免除されることがあります。ただし申告義務は残るため、毎年の申告は必要です。また役員報酬を出さなければ社会保険も脱退できます。完全にゼロにはなりませんが、年数万円程度まで下げられる場合があります。

かかります。解散と清算の登記に登録免許税が約4万円、官報への解散公告に3〜4万円、司法書士に依頼すれば報酬が5〜10万円。清算にかかる決算と申告も必要です。合計で15〜25万円程度を見ておく必要があります。作るときより、たたむときのほうが高くつく場合があります。

設立時に決めておくと、後の費用が変わること

設立時に決めておくと、後の費用が変わること

10年の費用のうち、設立時の判断で動かせる部分があります。金額としては大きくありませんが、あとから変更するには登記が必要になるため、最初に決めておく価値があります。

出資額を1,000万円未満にする。設立時の資本金が1,000万円以上だと、初年度から消費税の課税事業者になります。年商1,000万円の事業なら、免税期間2年で数十万円の差が出ます。設立費用を数万円削るより、はるかに効果が大きい判断です。

事業年度を設立日から最も遠い月末にする。初年度をほぼ12ヶ月使えるため、決算と申告の回数が1回分後ろにずれます。税理士への決算申告料が15〜25万円だとすると、その分だけ支出のタイミングが遅れます。変更するには定款変更が必要なので、設立時に決めておく話です。

本店を自宅にするか、外に借りるか。外に事務所を借りれば、家賃が固定費に加わります。月10万円なら10年で1,200万円——ここまで見てきた固定費と同じ規模です。自宅を本店にすれば、家賃の一部を経費にできる可能性もあります。費用の観点では、これが最大の変数です。

事業目的を広めに書いておく。後から事業を追加するには変更登記で3万円かかります。今やる事業に加えて、2〜3年以内にやる可能性のあるものを入れておけば、この支出を避けられます。ただし関連性のない事業を並べすぎると、法人口座の審査で実体を疑われるため、程度の問題です。

まとめ

まとめ
  • 合同会社を10年維持する総額は1,100万円前後。設立費用はその0.7%
  • 年間の固定費は約110万円。うち社会保険料と税理士報酬で9割
  • 株式会社との10年の差は約80万円。電子公告にすれば約11万円まで縮む
  • 費用を下げるなら、役員報酬の設定と税理士への依頼範囲を見る
  • 法人化で増える固定費は年100万円前後。上回るメリットがあるかが判断軸
  • 会社をたたむにも15〜25万円かかる。作る費用だけで判断しない
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください 検索キーワード:会社 立ち上げ 合同会社 費用 / 20 サイト

「会社 立ち上げ 合同会社 費用」で検索すると、設立費用に焦点を当てた記事が中心に並びます。維持費まで扱っている記事は少数派なので、両方を見比べると総額の感覚が掴めます。金額を比べるときは、電子定款か紙定款か、印鑑代や証明書代を含めているかという前提の確認を忘れずに。

  1. 弥生|合同会社の設立費用はいくら?自分で登記する際の登録免許税や資本金の相場登録免許税と資本金の相場を、自分で登記する前提で扱っています。
  2. マネーフォワード クラウド会社設立|合同会社の設立費用はいくら?内訳・節約方法内訳と節約方法が並べて示されています。
  3. IDEMAE|合同会社の設立費用はいくらかかる?内訳・安く抑える方法を解説実費の細目まで踏み込んだ内訳が特徴です。
  4. タケバ会計事務所|合同会社の会社設立ガイド!費用6万円からの手順と必要書類6万円という数字の根拠を手順とあわせて説明しています。
  5. マネーフォワード クラウド会社設立|会社設立でかかる維持費や年間費用は?毎年の費用に特化した記事。10年で積算する際の材料になります。
  6. freee|会社設立の費用はいくら?株式会社と合同会社の維持費もわかりやすく解説設立費用と維持費を一続きで扱っており、この記事と近い視点です。
  7. ベンチャーサポート|会社設立の費用は11万〜24万円!設立前後のコストを徹底解説設立前後でコストを分けて整理しています。
  8. 弥生|会社設立費用はいくら?株式会社・合同会社の法人設立費用を比較解説形態別の費用比較。差額の出どころが確認できます。
  9. リーパル会計事務所|合同会社設立の流れを6ステップで解説|費用・必要書類・失敗しない手順税理士監修。費用と手順が対応づけられています。
  10. 中小企業庁|会社設立時の登録免許税の軽減について登録免許税を3万円にする制度の一次情報です。
  11. 弥生|会社設立にかかる登録免許税とは?計算方法や半額にする方法を解説出資額と登録免許税の関係が計算式つきで説明されています。
  12. 創業手帳|合同会社は信用力が低い?メリット・デメリットや資金調達方法を全解説費用以外の判断材料。形態選択の全体像が掴めます。
  13. HT税理士法人|合同会社のメリット7つを徹底深掘り!株式会社と比べたデメリットも維持コストの軽さについても触れています。
  14. freee|合同会社を設立する流れとは?自分一人で手続きする方法や必要書類・費用一人で設立する前提の費用がまとまっています。
  15. みずほ銀行|合同会社の作り方は?自分で設立する流れや手順、必要書類を解説金融機関の視点。設立後の口座運用も見据えた内容です。
  16. 千代田税理士法人|合同会社設立は自分でできる?流れと設立後にやること4選設立後にかかる費用にも触れています。
  17. サン共同税理士法人|会社設立する時にかかる費用はどのくらい?税理士法人の視点。税務面を含めた費用の考え方が分かります。
  18. 創業融資ガイド|株式会社を設立する際にかかる費用とその内訳融資の視点から費用を整理しています。
  19. GVA 法人登記|合同会社から組織変更する際の官報公告の掲載費用・期間を解説将来株式会社に変える場合の費用。長期の費用計画に関わります。
  20. HEARTLAND Picks|合同会社の設立に必要な書類とそれぞれの注意点・ポイント書類にかかる実費の目安が分かります。

※ 掲載順は検索結果の並びに準じたもので、優劣を示すものではありません。各サイトの内容および記載金額は、それぞれの運営者の責任において公開されています。

この記事は、会社を一人で立ち上げる参考になりましたか?
会社設立の情報は前提条件で変わります。役に立った記事を押していただけると、次に書く記事の参考になります。

著者:合同会社commit / 合同会社FIELD 共同編集部

本記事は、合同会社commit(コンサルティング/Webマーケティング/Web制作)と 合同会社FIELD(事業グロース支援/人材/ITスクール)の共同編集部が制作しています。両社ともに合同会社として設立・運営しており、一人・少人数での法人設立と設立後の実務を、自らの経験も踏まえて扱っています。

記事は、法務省・法務局・国税庁・日本年金機構・中小企業庁・日本公証人連合会などの一次情報を確認したうえで作成し、合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら編集しています。参照元は各セクションの末尾に明示しています。ただし制度・手数料は改正されるため、手続きの際は必ず所管官庁の最新情報をご確認ください。個別具体的な判断については、税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

運営者情報・編集方針をみる

一番のおすすめはこちら 会社設立の手続きを、まとめて任せられるサービス
無料で相談してみる

※ 弊社調べによるものです。掲載内容および順位は定期的に変わります。