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株式会社の必要書類11種類。難しいのは書類ではなく、書類どうしの整合です

最終更新 2026年8月15日 読了目安 約11分 文字数 約6,720字
株式会社の必要書類11種類。難しいのは書類ではなく、書類どうしの整合です
株式会社の設立登記に必要な書類は、本人申請なら11種類。自分で作るもの6つ、役所でもらうもの3つ、公証役場から受け取るもの1つに分かれます。作成が難しい書類は一つもありません——様式も記載例も法務局が公開しているからです。実際に補正の原因になるのは、書類どうしで住所や金額の表記が食い違うことのほうです。

株式会社の設立登記に必要な書類は、代理人を立てない場合で11種類です。数だけ聞くと多く感じますが、性質で分けると3つのグループにしかなりません。自分で作るもの、役所でもらうもの、公証役場から受け取るもの。

そして、このうち作成が難しいものは一つもありません。法務局が様式と記載例をすべて公開しているためです。難しいのは書類そのものではなく、書類どうしの整合を取ることのほうです。

11種類(本人申請の場合) 6自分で作る 3役所でもらう 1公証役場から

11種類を、入手先ごとに色分けして並べる

11種類を、入手先ごとに色分けして並べる
自分で作成 役所で取得 公証役場

1. 株式会社設立登記申請書

自分で作成

すべての中心になる書類です。商号、本店、登記の事由、登録免許税額、添付書類の一覧を記載します。法務局のサイトに様式と記載例があるので、そのとおりに埋めれば作れます。

2. 登録免許税納付用台紙

自分で作成

収入印紙を貼るためだけの紙です。A4の白紙で構いません。ここに15万円分の収入印紙を貼り、申請書と綴じて契印します。印紙に消印は押しません。

3. 定款(認証済み)

公証役場

公証人の認証を受けた定款の謄本を添付します。電子定款の場合は、公証役場で交付を受けた電磁的記録の同一情報の提供(書面)を使います。合同会社にはこの工程がありません。

4. 発起人の同意書(決定書)

自分で作成

定款に定めなかった事項——本店の具体的な所在場所、設立時発行株式の数と払込金額など——を決めた記録です。定款にすべて書いてある場合は不要になることもあります。

5. 設立時取締役の就任承諾書

自分で作成

「取締役に就任することを承諾します」という1枚の書面です。取締役の人数分を用意し、個人の実印を押します。この印影が印鑑証明書と一致していなければ補正になります。

6. 設立時取締役の印鑑証明書

役所で取得

市区町村役場かコンビニ交付で取得します。発行から3ヶ月以内のものに限られます。取締役会を置かない株式会社では、設立時取締役が複数いる場合、原則として全員分が必要です。

7. 払込証明書+通帳のコピー

自分で作成

資本金が実際に払い込まれたことを証明する書面です。発起人個人の口座の、通帳の表紙・見開き1ページ目・入金が記帳されたページをコピーし、証明書と綴じて代表者の実印で契印します。

8. 資本金の額の計上に関する証明書

自分で作成

払い込まれた金額が、そのまま資本金の額として計上されていることを示す書面です。金銭出資のみで現物出資がない場合は、添付を省略できる取扱いもあります。

9. 登記すべき事項(CD-R等またはOCR用紙)

自分で作成

登記簿に記録される内容をテキストデータで提出します。CD-Rに保存するか、オンライン申請の場合はデータで送信します。手書きのOCR用紙も使えます。

10. 印鑑届書

法務局で入手

会社の実印を法務局に届け出る書類です。会社実印と、届出人(代表取締役)の個人実印の両方を押します。この書類のためだけに、会社実印が登記申請日までに必要になります。

11. 印鑑カード交付申請書

法務局で入手

会社の印鑑証明書を取るために必要な「印鑑カード」の交付を受ける書類です。登記申請と同時に出しておくと、完了後にカードを受け取れます。

株式会社の設立登記に必要な書類11種の一覧表
書類は入手先で3つに分かれる

難しいのは、書類どうしの整合を取ること

難しいのは、書類どうしの整合を取ること

11種類のうち、単体で見て難しい書類はありません。法務局の記載例をそのまま写せば作れます。補正になるのは、書類の間で情報が食い違ったときです。

そろえるもの
どこに出てくるか
会社の商号
定款/申請書/登記すべき事項/印鑑届書
本店の所在場所
定款(最小行政区画)/発起人の同意書(番地まで)/申請書
資本金の額
定款/払込証明書/資本金の額の計上に関する証明書/申請書
取締役の氏名・住所
就任承諾書/印鑑証明書/登記すべき事項
個人の印影
就任承諾書/印鑑証明書
会社の印影
印鑑届書/申請書の契印

とくに住所の表記が要注意です。印鑑証明書に「1丁目2番3号」と記載されているなら、就任承諾書も「1丁目2番3号」でなければなりません。「1-2-3」と略すと不一致とみなされる場合があります。証明書を横に置いて、一字一句そのまま写すのが確実です。

提出前に確認する7つのチェック項目

印鑑証明書は、取るタイミングを間違えない

印鑑証明書は、取るタイミングを間違えない
印鑑証明書は3ヶ月以内という期限がある

登記に使う印鑑証明書は、発行から3ヶ月以内である必要があります。定款認証でも使うので、認証と登記の両方で有効な期間内に収まっていなければなりません。

準備の最初に取ってしまうと、定款の検討や資本金の調達で時間がかかった場合に期限が切れます。手数料自体は300円程度ですが、窓口へ行く手間と、そのぶん設立日が後ろにずれることのほうが痛手です。書類が9割そろってから取りに行くのが正解です。

なお、そもそも印鑑登録をしていない場合は、登録から始める必要があります。多くの自治体では即日交付されますが、本人確認の方法によっては後日郵送での照会になることもあり、そうなると1週間ほどかかります。印鑑登録の有無は、会社を作ろうと思った時点で確認しておいてください。

綴じ方と押印の位置

綴じ方と押印の位置

書類は種類ごとにバラバラで出すのではなく、決まった順序で綴じます。一般的な順序は、①登記申請書、②登録免許税納付用台紙、③登記すべき事項(紙の場合)、④定款、⑤発起人の同意書、⑥就任承諾書、⑦印鑑証明書、⑧払込証明書です。印鑑届書はホチキス留めせず、別に添えます。

押印で迷いやすい箇所:
・申請書と台紙のつなぎ目 → 会社実印で契印
・払込証明書と通帳コピーのつなぎ目 → 会社実印で契印
・就任承諾書 → 就任する人の個人実印
・印鑑届書 → 会社実印と、届出人の個人実印の両方

収入印紙には消印を押しません。登記の登録免許税として納めるものなので、印紙税の消印とは扱いが違います。ここは間違えやすい部分です。

「11種類」と「12種類」と「29種類」の違い

「11種類」と「12種類」と「29種類」の違い

検索していると、必要書類の数が記事によって違うことに気づきます。11、12、15、29。どれも間違いではなく、数えている範囲が違うだけです。

11種類は、本人が自分で登記申請する場合の添付書類です。この記事で扱っているのがこれにあたります。12種類と書かれている場合は、司法書士などの代理人に依頼することを前提に委任状を加えています。自分でやるなら委任状は不要です。

15種類前後という記事は、現物出資がある場合の調査報告書や財産引継書、あるいは取締役会を設置する場合の書類を含めていることが多いです。一人で作る小さな会社では、いずれも該当しません。

29種類という数え方は、登記のあとに提出する届出まで含めたものです。税務署に5種類前後、都道府県税事務所と市町村に各1種類、年金事務所に3種類前後、それに法人口座の開設で使う書類。登記が終わってからのほうが、書類の枚数としてはむしろ多いということになります。

自分がいまどの段階の話をしているのかを意識して読むと、記事どうしの食い違いに惑わされずに済みます。設立登記の準備をしているなら11種類、資金計画や全体像を組み立てているなら29種類の一覧を見る、という使い分けが実用的です。

書類を作る順番にも、決まりがある

書類を作る順番にも、決まりがある

11種類を思いついた順に作ろうとすると、必ず手戻りが起きます。後の書類が、前の書類の内容を引用する構造になっているためです。作成の順序は次のようになります。

まず定款です。商号も本店も資本金も事業目的も、すべてここで確定します。定款が固まらないうちに申請書を書き始めても、書き直しになるだけです。

次に発起人の同意書。定款で「本店は東京都渋谷区に置く」と最小行政区画までしか書いていない場合、番地や部屋番号はこの書面で決めます。ここで確定した所在場所が、登記簿に載ります。

定款の認証を受けたら資本金の払込を行い、払込証明書資本金の額の計上に関する証明書を作ります。この2つは金額が一致していなければならず、当然ながら定款の資本金額とも一致します。

最後に登記申請書登記すべき事項、そして印鑑届書。申請書には添付書類の一覧を書く欄があるので、他がすべて完成してから書いたほうが確実です。就任承諾書印鑑証明書は、この最終段階で用意します。証明書の有効期限を無駄に消費しないためです。

登記が終わったあとに必要になる書類

登記が終わったあとに必要になる書類

11種類は登記のためのものです。登記が完了すると、次は届出のための書類が必要になります。ここからは会社の印鑑証明書と登記事項証明書が主役です。

登記完了後、法務局で印鑑カードを受け取り、それを使って会社の印鑑証明書を取得します。登記事項証明書は印鑑カードがなくても取れますが、同じ窓口でまとめて取るのが効率的です。届出先が多いので、登記事項証明書を3通、会社の印鑑証明書を2通ほど取っておくと往復せずに済みます。

法務局から補正の連絡が入ります。申請自体が却下されるわけではなく、指摘された箇所を直して再提出する流れです。設立日(申請日)は維持されるのが一般的ですが、登記完了は2〜4日遅れます。連絡先として電話番号を申請書に書いておくと、やりとりが早く済みます。

増えます。調査報告書と財産引継書、そして現物出資の対象財産の価額を示す資料が必要です。500万円を超える場合は原則として検査役の調査が必要になり、手続きが大きく重くなります。PCや車を出資する程度なら500万円以内に収まることがほとんどですが、書類は確実に増えます。

できます。ただし法務局に到達した日が申請日=設立日になるため、設立日を狙う場合には向きません。また、書類の返却が必要な場合は返信用封筒を同封します。設立日にこだわらないなら、郵送は往復の手間が省ける有効な方法です。

まとめ

まとめ
株式会社の必要書類、6つの要点
  1. 本人申請なら11種類。様式と記載例は法務局がすべて公開している
  2. 自分で作る6つ、役所で取る3つ、公証役場から1つに分かれる
  3. 難しいのは書類そのものではなく、書類どうしの整合
  4. 住所と印影の表記は、証明書を横に置いて一字一句そろえる
  5. 印鑑証明書は3ヶ月以内。書類が9割そろってから取りに行く
  6. 収入印紙に消印は押さない。契印の位置は4か所を確認
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください 検索キーワード:会社 立ち上げ 必要書類 株式会社 / 20 サイト

「会社 立ち上げ 必要書類 株式会社」で検索すると、書類の数え方が記事ごとに違います。11種類、12種類、29種類。これは登記だけを数えているか、委任状を含めているか、設立後の届出まで含めているかの差です。あわせて、様式そのものは法務局のサイトにあるので、解説記事と一次情報の両方を開いて進めるのが確実です。

  1. freee|会社設立に必要な書類は主に11種類!一覧リストや作成・提出方法11種類という数え方の根拠と、それぞれの作成方法を扱っています。
  2. ベンチャーサポート|株式会社設立の必要書類を画像付きで解説!法人登記に必要な事前準備実際の書類画像が載っており、完成形をイメージしやすい記事です。
  3. freee|会社設立時に必要な印鑑証明書の発行方法とは?登記申請に必要な枚数も解説印鑑証明書の枚数と有効期限に絞った記事です。
  4. HT税理士法人|一覧表付き:会社設立に必要な全29種の書類まとめ設立後の届出まで含めて29種類として整理した一覧です。
  5. たむら司法書士事務所|会社設立登記に必要な書類は?作成方法や手続きの流れ司法書士による解説。登記実務での注意点が具体的です。
  6. 加藤司法書士事務所|会社設立登記の必要書類添付書類の要否を場合分けして説明しています。
  7. 司法書士事務所|株式会社設立登記 必要書類 印鑑証明書印鑑証明書が必要になる場面を、役職ごとに整理しています。
  8. ひとりでできるもん|株式会社設立の必要書類&印鑑書類と印鑑をセットで扱っており、押印箇所の確認に使えます。
  9. 法務省|株式会社の設立手続(発起設立)について申請書の様式と記載例の一次情報。書類はここから入手します。
  10. 日本公証人連合会|定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか定款認証で必要になる書類と手数料の一次情報です。
  11. J-Net21(中小機構)|株式会社の設立手続き公的支援機関の解説。書類が必要になる工程が確認できます。
  12. 弥生|会社設立の方法・流れを詳しく解説!株式会社設立や法人設立に必要な手続き工程と書類の対応関係が整理されています。
  13. マネーフォワード クラウド会社設立|会社設立の流れを解説!株式会社設立の手順、必要書類、費用流れのなかで書類がどこに出てくるかが分かります。
  14. freee|会社設立の流れと手続き方法を徹底解説!株式会社を設立するメリットや注意点用語の説明が丁寧で、書類名の意味を確認するのに向いています。
  15. GVA 法人登記|会社設立〜法人登記の流れや手順を解説書類作成サービスの提供元。登記書類の記載レベルの解説です。
  16. 荒川会計事務所|【会社設立を自分でやる方法】全手順と注意点を税理士が解説自分で書類を作る前提での注意点がまとまっています。
  17. みずほ銀行|一人で会社を作る手順は?必要書類や費用、個人事業主との違いも解説一人で作る場合の書類。法人口座で使う書類にも触れています。
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  19. 大阪司法書士会|会社を一人で設立したいのですが、どうすればいいですか?司法書士会の公式Q&A。必要書類の要点が簡潔にまとまっています。
  20. 創業手帳|会社設立の流れがわかる!やることリスト完全版チェックリスト形式。書類の抜け漏れ確認に向いています。

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著者:合同会社commit / 合同会社FIELD 共同編集部

本記事は、合同会社commit(コンサルティング/Webマーケティング/Web制作)と 合同会社FIELD(事業グロース支援/人材/ITスクール)の共同編集部が制作しています。両社ともに合同会社として設立・運営しており、一人・少人数での法人設立と設立後の実務を、自らの経験も踏まえて扱っています。

記事は、法務省・法務局・国税庁・日本年金機構・中小企業庁・日本公証人連合会などの一次情報を確認したうえで作成し、合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら編集しています。参照元は各セクションの末尾に明示しています。ただし制度・手数料は改正されるため、手続きの際は必ず所管官庁の最新情報をご確認ください。個別具体的な判断については、税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

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