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会社 立ち上げ 定款

定款の書き方を一人で最後まで。会社設立で絶対に落とせない5項目から順に埋める

最終更新 2026年8月15日 読了目安 約10分 文字数 約6,088字
定款の書き方を一人で最後まで。会社設立で絶対に落とせない5項目から順に埋める
定款は、会社を一人で立ち上げるときに最初に書く「会社のルールブック」です。ゼロから考える必要はなく、ひな形に決めた内容を入れていけば形になります。ただし1つでも欠けると定款そのものが無効になる項目が5つあり、そこだけは順番に確認しながら進める必要があります。この記事では、会社設立の定款を一人で書き上げるまでを条文単位で追います。

会社を一人で立ち上げるとき、最初に手を動かすのが定款です。会社設立の書類のなかで、唯一「中身を自分で考える」ものでもあります。

とはいえ、白紙から書く必要はありません。ひな形は公証役場や会計ソフト各社が公開しています。埋めるべき欄と、そこに何を入れるかさえ分かれば、一人でも半日から1日で書き上げられます。

定款は3種類の記載事項でできている

定款は3種類の記載事項でできている

会社設立の定款に書く内容は、性質によって3つに分かれます。この分類を知らないまま書き始めると、どこまで書けばいいのかが分からなくなります。

絶対的記載事項
書かないと定款そのものが無効になる項目。会社法で決まっており、5つあります。一人で会社を立ち上げる場合も例外はありません。
相対的記載事項
書かなくても定款は有効ですが、書かないとその効力が生じない項目。株式の譲渡制限、役員任期の伸長、現物出資などが該当します。
任意的記載事項
書いても書かなくてもよい項目。事業年度、公告方法、役員の員数など。会社の運営を明確にするために入れます。
一人で立ち上げるときに事故が起きるのは「相対的記載事項」
絶対的記載事項は、書き漏らすと公証役場や法務局で止まるので必ず気づきます。危ないのは株式の譲渡制限のような相対的記載事項です。書き忘れても定款としては成立してしまうのに、書かないと一人での会社設立が成り立たなくなります。

絶対的記載事項の5項目を順に埋める

絶対的記載事項の5項目を順に埋める

株式会社の定款で必ず書く5項目です。会社を一人で立ち上げる場合、ここが埋まればもう半分は終わったようなものです。

  1. 目的(事業内容)会社が行う事業。あとで詳しく扱いますが、ここが定款作成でいちばん時間を使う項目です。
  2. 商号(会社名)「株式会社」または「合同会社」を必ず含めます。使える文字は漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字・アラビア数字と一部の符号のみ。
  3. 本店の所在地最小行政区画(市区町村、東京23区は区)まででも構いません。番地まで書くと移転のたびに定款変更が必要になります。
  4. 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額資本金として払い込む額。一人で立ち上げるなら、自分が出す金額をそのまま書きます。
  5. 発起人の氏名または名称および住所印鑑証明書の記載どおりに写します。略さない、旧字体を新字体に変えない。
住所と氏名は、印鑑証明書を横に置いて書く
「1丁目2番3号」を「1-2-3」と略す、「髙」を「高」と書く。この2つが、一人での会社設立でもっとも多い書き間違いです。定款・就任承諾書・登記申請書のすべてで、印鑑証明書に印字されているとおりの表記にそろえてください。
合同会社は項目が少し違います
合同会社の絶対的記載事項は、目的・商号・本店の所在地・社員の氏名および住所社員全員が有限責任社員である旨出資の目的および価額の6つです。株式会社のひな形を流用すると「有限責任である旨」を落としがちなので注意してください。

事業目的の決め方が、いちばん時間を使う

事業目的の決め方が、いちばん時間を使う

会社を一人で立ち上げるとき、定款で最も迷うのが事業目的です。抽象的すぎると法人口座の審査で止まり、具体的すぎると事業を増やすたびに変更登記が必要になります。

今やる事業を具体的に
「コンサルティング業」だけでは何をする会社か分かりません。「経営コンサルティング業」「Webサイトの企画・制作・運営」のように、業務が想像できる粒度で書きます。
2〜3年以内の可能性も入れる
あとから追加すると変更登記で3万円。将来やるかもしれない事業は、この段階で入れておくのが定石です。
許認可が必要なら文言を確認
建設業・人材紹介・古物商・飲食・運送などは、事業目的の書き方が許可の要件になります。所管官庁の記載例を確認してください。
最後に包括条項を置く
「前各号に附帯関連する一切の事業」を末尾に入れます。細かい付随業務をいちいち書かずに済みます。
並べすぎると、法人口座の審査で疑われる
関連性のない事業を10も20も並べると、実際に何をする会社なのかが読み取れなくなります。金融機関は口座開設の審査で事業の実体を見るため、会社設立の直後ほど不利に働きます。目安として、一人で立ち上げるなら5〜10項目に収めておくと自然です。

一人で立ち上げるなら、必ず入れる相対的記載事項

一人で立ち上げるなら、必ず入れる相対的記載事項

株式会社を一人で立ち上げる場合、株式の譲渡制限の定めは実質的に必須です。これを入れることで「非公開会社」となり、次の3つが可能になります。

  • 取締役1名だけで設立できる(取締役会・監査役が不要になる)
  • 役員の任期を最長10年まで伸ばせる(改選登記の回数が減る)
  • 知らない相手に株式が渡るのを防げる

逆に譲渡制限を入れないと公開会社の扱いになり、取締役3名以上と監査役の設置が必要になります。一人での会社設立が制度上できなくなるということです。

定款の記載例(趣旨):「当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を受けなければならない。」——ひな形を使う場合も、この条項があるかどうかだけは必ず確認してください。

あわせて役員の任期も定めます。非公開会社なら最長10年。一人で立ち上げるなら10年にしておくと、改選登記(1万円)の頻度が10年に1回で済みます。

任意的記載事項で、あとの手間を減らす

任意的記載事項で、あとの手間を減らす

書かなくても定款は成立しますが、会社を一人で立ち上げたあとの実務に効いてくる項目です。

項目決め方あとで効いてくること
事業年度(決算期)設立日から最も遠い月末にする初年度を約12ヶ月使える。決算費用の発生が1回分遅れる
公告方法電子公告(自社サイト)にする株式会社の決算公告が無料でできる。官報だと毎回7万円前後
取締役の員数「1名以上」と書く将来増やすときに定款変更が不要
株主総会の招集招集期間を短縮する定めを置く一人でも形式上の手続きが軽くなる
決算期の選び方を具体的に
9月に会社を立ち上げるなら、決算月は8月。これで初年度が約12ヶ月になります。逆に「3月決算が普通だから」と3月にすると、9月設立なら初年度が半年で終わり、決算と申告の費用が1回分早く出ていきます。一人で会社設立をするなら、慣習より自分の資金繰りで決めてください。

紙で作るか、電子定款にするか

紙で作るか、電子定款にするか

定款が書けたら、紙で出すか電子データで出すかを決めます。紙の定款は印紙税法上の課税文書なので、収入印紙4万円が必要です。PDFに電子署名した電子定款は課税文書に当たらないため、この4万円がかかりません。

40,000円
紙の定款にかかる
収入印紙代
0円
電子定款の印紙代
2〜6時間
電子署名の環境を
自分で整える時間
5,000〜10,000円
電子定款だけ
代行に出す相場

電子定款に必要なのは、マイナンバーカード、ICカードリーダー(対応スマートフォンでも可)、PDF編集ソフト、そして法務省の登記・供託オンライン申請システムの署名プラグインです。つまずくのは書類ではなく環境構築で、一人で会社を立ち上げる方が最初に足を止める箇所でもあります。

1回きりの設立なら、代行に出す判断も合理的
電子定款の作成だけを行政書士に依頼した場合の相場は5,000〜10,000円。差し引き3万円以上得になります。会社設立を一人で進めていて、環境構築に半日以上かかりそうなら、ここだけ外注するのは十分に合理的な判断です。

公証役場に出す前に、事前チェックを受ける

公証役場に出す前に、事前チェックを受ける

株式会社の定款は、公証人の認証を受けて初めて効力を持ちます。いきなり窓口に持ち込むのではなく、先にメールやFAXで原稿を送って事前チェックを受けるのが一般的な流れです。修正のやりとりで1〜3日かかります。

認証当日に必要なものは、定款、発起人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)、発起人の実印、手数料、本人確認書類。加えて実質的支配者となるべき者の申告書の提出が必要です。一人で会社を立ち上げる場合、実質的支配者は自分自身になります。

近年はオンライン化が進み、電子定款をオンラインで送信し、公証人とはウェブ会議で面前確認を行う運用が広がっています。公証役場まで足を運ばずに認証を受けられるため、平日に動きにくい方には有効です。

手数料は資本金と条件で変わります
資本金100万円未満で30,000円、100万〜300万円未満で40,000円、300万円以上で50,000円。ただし一人・資本金100万円未満・取締役会なしなどの条件をすべて満たすと15,000円になります。一人での会社設立なら、この特例に当てはまることがほとんどです。

まとめ

まとめ
定款の書き方、7つの結論
  1. 記載事項は絶対的・相対的・任意的の3種類。性質が違うので分けて考える
  2. 絶対的記載事項は5項目。1つでも欠けると定款が無効になる
  3. 住所と氏名は、印鑑証明書の表記どおりに一字一句そろえる
  4. 事業目的は今やる事業+2〜3年以内の可能性+包括条項。5〜10項目が目安
  5. 株式の譲渡制限を落とすと、一人では株式会社を設立できない
  6. 決算期は設立日から最も遠い月末に。初年度を長く使える
  7. 紙だと収入印紙4万円。電子定款なら不要だが環境構築に2〜6時間
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください 検索キーワード:会社 立ち上げ 定款 書き方 / 20 サイト

「会社 立ち上げ 定款 書き方」で調べている方に向けて書きました。同じキーワードで検索すると次のようなサイトも出てきます。会社を一人で立ち上げるとき、書き手の立場によって触れている論点が変わるので、あわせて読むと判断材料が増えます。

  1. リーパル会計事務所|合同会社設立の流れを6ステップで解説|費用・必要書類・失敗しない手順税理士監修。費用と手順を対応づけて説明しています。
  2. マネーフォワード クラウド会社設立|会社設立の流れを解説!株式会社設立の手順株式会社に絞った流れ・必要書類・費用をまとめた基本記事です。
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  4. 法務省|一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです!一人会社の完全オンライン申請について、法務省が案内している公式ページです。
  5. タケバ会計事務所|合同会社の会社設立ガイド!費用6万円からの手順と必要書類6万円という数字の根拠を、手順と一緒に説明しています。
  6. ひとりでできるもん|合同会社から株式会社への組織変更手続き|費用・期間・必要書類自分でやる前提での費用と必要書類がまとまっています。
  7. 会社設立GOAL|一人で会社を作る手順を解説!費用や必要書類は?資本金1円から設立できるようになった背景と、実際にいくら入れるべきかを扱っています。
  8. freee|合同会社を設立する流れとは?自分一人で手続きする方法や必要書類・費用を解説一人で設立する前提で、書類と費用を通しでまとめた記事です。
  9. マネーフォワード クラウド会社設立|合同会社を自分ひとりで設立するには?ひとり設立に絞って、手続きの流れ・必要書類・費用を整理しています。
  10. みずほ銀行|一人で会社を作る手順は?必要書類や費用、個人事業主との違いも解説金融機関の解説。法人口座の開設を前提にした書類の揃え方に触れています。
  11. みずほ銀行|合同会社の作り方は?自分で設立する流れや手順、必要書類を解説金融機関による解説。法人口座の開設まで見据えた書類の揃え方に触れています。
  12. 弥生|合同会社設立の流れは?自分で手続きする方法や必要書類、期間も解説期間の目安を工程ごとに示しているのが特徴です。
  13. ひとりでできるもん|株式会社設立の必要書類&印鑑書類と印鑑をセットで扱っており、押印箇所の確認に使えます。
  14. ひとりでできるもん|会社設立・会社変更を自分でできる登記書類作成支援クラウドサービス登記書類の作成を支援するサービス。自分で登記する場合の道具として使えます。
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  16. リーパル会計事務所|定款の作り方を完全解説|記載事項・書き方・認証手続きまで税理士監修。記載事項から認証手続きまで通しで解説しています。
  17. 弥生|定款の事業目的の書き方は?業種別の記載例やポイント、注意点を解説事業目的の書き方を業種別の記載例つきで解説しています。
  18. 弥生|一人社長も社会保険の加入義務はある?会社設立時の手続きと必要書類一人社長の社会保険加入義務と、会社設立時に出す書類をまとめています。
  19. 弥生|電子定款とは?自分で作成して署名・認証を受けるやり方も解説電子定款を自分で作る手順と、必要な機材が具体的です。
  20. 弥生|定款認証の必要書類は?電子定款の場合や公証役場の手続きについて解説公証役場に持っていく書類と、実質的支配者の申告書について扱っています。

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著者:合同会社commit / 合同会社FIELD 共同編集部

本記事は、合同会社commit(コンサルティング/Webマーケティング/Web制作)と 合同会社FIELD(事業グロース支援/人材/ITスクール)の共同編集部が制作しています。両社ともに合同会社として設立・運営しており、一人・少人数での法人設立と設立後の実務を、自らの経験も踏まえて扱っています。

記事は、法務省・法務局・国税庁・日本年金機構・中小企業庁・日本公証人連合会などの一次情報を確認したうえで作成し、合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら編集しています。参照元は各セクションの末尾に明示しています。ただし制度・手数料は改正されるため、手続きの際は必ず所管官庁の最新情報をご確認ください。個別具体的な判断については、税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

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